赤毛のアン (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン 1)/ルーシー・モード・モンゴメリー
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L・M・モンゴメリー『赤毛のアン』(講談社文庫)を読みました。
『赤毛のアン』自体は読んだことがあるのですが、ピグの茶屋で、赤毛のアンのその後ってどうなったんだっけ? みたいな話になり、気になったのでシリーズを読んでみることにしました。
講談社文庫の、完訳クラシックが読みやすそうだと思ったので、これにしました。全部で10冊くらい。
赤毛のアンと言えば、知っている人は知っている、知らない人でも、赤毛でそばかすの女の子の話ということくらいは知っていると思います。
ぼくが一番好きなのは、出だしのところですね。
アンは孤児で、引き取られるわけですが、男の子がほしかったのに、ちょっとした手違いで、アンが来てしまう。引き取り先のおじさんというかおじいさんは、びっくりするわけです。
でも自分から、間違ったとは言えないので、それくらい内気な人なんですけども、おばさんというかおばあさんというか、とりあえず家に帰って、間違いだって言ってもらおうと思うわけです。
それで馬車かなにかでゆっくり家まで帰る。そこでアンがぺちゃくちゃ色んなおしゃべりをするんですが、あの辺りが好きですね~。もうすぐ返されちゃうのに! みたいな(笑)。
アンというのは、とにかく想像力が豊かな子で、道に名前をつけたり、自分の名前が違った名前だったらいいのに、などと考えているような子です。
それで家に帰って、孤児院に返されちゃったら、お話になりませんが、結局そのまま引き取られることになるわけです。
おじさんとおばさんが夫婦だと思ってずっと読んでたら、どうやら兄妹だったみたいです。
こどもの頃はどうだったか忘れましたが、今『赤毛のアン』を読むと、確実に親目線になってしまうんですよね。というか、そういう要素はあると思うんですが。
アンになかなか共感できないというか、あの空想力には確実についていけないですし、アンほど感情表現も豊かではないので、アン目線というよりは、アンに振り回される大人目線になってしまう。
つまり、アンが新しい環境に行く話ではなく、アンという新しい存在が人生にやってきた話なわけです。アンももちろん成長していくわけですが、それ以上にまわりの大人が変わっていくんですね。そこがいい。
中盤は、ニンジンとからかってきた男の子に石盤をぶつけるなど、『花より男子』てきな展開があり、後半では、その男の子と、受験での熾烈なライバル争いが楽しめます。
それぞれ欠けていたものを手に入れるという、意外とシンプルな話なんですけども、最後はぐっときて、涙が出そうになりました。
読んでない人はおすすめです。この後どうなるんかなー。